甲斐善光寺

甲斐善光寺は甲府市にある浄土宗の寺院で、開基武田信玄公が川中島の合戦の折、信濃善光寺の焼失を恐れ、永禄元年（一五五八）御本尊善光寺如来像等を奉遷したことに始まります。
甲斐の名刹で、金堂と山門は国の重要文化財に指定されていて、撞木造り（主屋と釜屋（炊事専用の建物）とが夫々独立して、屋根がT字形（撞木の形）になっている造りのこと）の金堂は、東日本最大級の堂々とした木造建築物です。
金堂の天井には巨大な龍が二匹描かれ、その下で手を叩くと音が共鳴して龍の鳴き声のように聞こえます。また、金堂下には、「心」の字をかたどる、「お戒壇廻り（おかいだんめぐり）」があり、ご本尊様の真下の真っ暗闇の小部屋を壁づたいに巡り、鍵に触れることでご本尊様とご縁を結ぶことができるという修行が体験出来ます。
丑（うし）年と未（ひつじ）年の御開帳時には、本尊を安置している厨子（ずし）の扉が開かれて、本尊の右手の人差し指と本堂前に立てられた回向柱（えこうばしら）が「善の綱」と呼ばれるひもで結ばれるため、この柱に触れることで、直接本尊に触れることと同じ御利益があるといわれています。

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