身延山久遠寺

身延山久遠寺は、1274（文永11）年5月17日に身延山に入山された日蓮聖人が、1か月ほど甲斐国を巡教された後、6月17日に西谷に構えた草庵に入り、これを以て開創とします。1281（弘安4）年11月24日には旧庵を廃して本格的な堂宇を落慶し、自ら「身延山妙法華院久遠寺」と命名しました。
1475（文明7）年狭く湿気の多い西谷から現在の地へと移転し、伽藍（がらん）の整備がすすめられ、その後、武田家や徳川家の崇拝、外護（げご）を受けて栄え、1706（宝永3）年には、皇室勅願所ともなっています。
日蓮の死後法灯は連綿と絶えることなく、廟墓は歴代住職によって守護され、今日におよんでいます。
身延山久遠寺は、奥之院思親閣を「頭」、諸々の伽藍を「胸」「手」「膝」などと、日蓮聖人の身体に見立てて配置されていて、本尊の曼荼羅本尊になぞらえて、法華経の救いの世界を表しているとも言われており、意識しながら散策すると、また違った世界が見えてくるかと思います。